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意外と知らない!物件探しには用途地域に気を付けよう

意外と知らない!物件探しには用途地域に気を付けよう

「用途地域」という言葉をご存知でしょうか。
用途地域を定めて、地域によって営業できる建物を制限したり、目的を定めて理想の街づくりをするために色々な制限を設けたりしています。
工場や倉庫は住居ではないため、用途地域によっては営業できない可能性があります。
そのため、工場や倉庫を探している人は、「その用途地域で営業できるか?」は必須で押さえておくべき要素なのです。

用途地域とは?

用途地域イメージ

まずは「用途地域とは?」から説明します。
用途地域とは都市計画法という、日本の土地を適切に都市化(経済・交通・治安などの観点)することを目的として定められた地域地区になります。
一番の目的は、用途や目的が違う建物や住民が混在することを防止しています。

例えば、静かな住環境を求めて戸建の街が建築される横で、騒音のする工場を営業でされてしまったら、お互いの意に反してしまいます。
このような事態を防止するのが目的です。用途地域は概ね5年に一度、全国各地で見直されます。

用途地域で具体的に定める事

用途地域ごとに具体的に定めることは以下についてです。

営業規制
店舗や工場、倉庫などは用途地域によって営業できる種類が制限されます。
建物の種類
「住宅」「店舗」「工場」などの建物種類の事です。
㎡数の制限や高さ制限など細かく決まっています。
建ぺい率
土地に対してどのくらいの敷地面積を使用して良いかという決まりです。
例えば100㎡の土地の建ぺい率80%であれば80㎡のみ使用可能で、残りの20㎡は避難経路などを目的として空けておきます。
容積率
建ぺい率が敷地面積という平面の考えで、容積率はどのくらいのボリューム(階数)の建物を建てて良いかという立体的な規制になります。
高さ制限(第一種・第二種低層住居専用地域)
建物の高さを制限しています。
道路斜線制限
目の前の道路の幅員によって建てられる建物の大きさを制限します。
隣地斜線制限
隣地との境界の位置により建てられる建物の大きさを制限します。
日影規制
周囲に落とす日影時間を規制しています。制限されている時間以上の日影を落としてしまう建物は建てられません。

このような決まり以外には、「天空率」「窓先空地」「北側斜線」など、細かい決まりが定められています。
閑静な住宅街であるほど規制は厳しく、商業や工場地帯であるほど規制は緩くなります。

具体的な用途地域

用途地域は12地域あり、以下のような制限があります。
尚、規制範囲が広いので、以下の表は一部抜粋です。
また、用途地域の名称を短縮していますので、正式な名称は次項をご確認ください。
厳密には更に規制条件がありますので、詳細は国土交通省の資料※をご覧ください。

※表は左右にスクロールできます。

第一種低層 第二種低層 第一種中高層 第二種中高層 第一種住居 第二種住居 準住居 近隣商業 商業 準工業 工業 工業専用
住宅、共同住宅、寄宿舎、下宿 ×
店舗等 150㎡以下 ×
150㎡超 × ×
500㎡以下
500㎡超 × × ×
1,500㎡以下
1,500㎡超 × × × ×
3,000㎡以下
3,000㎡超 × × × × ×
事務所等 150㎡以下 × × × ×
150㎡超 × × × ×
500㎡以下
500㎡超 × × × ×
1,500㎡以下
1,500㎡超 × × × × ×
3,000㎡以下
3,000㎡超 × × × × × ×
工場・倉庫など 単独車庫 × ×
建築物附属自動車車庫
倉庫業倉庫 × × × × × ×
畜舎(15㎡超) × × × ×
パン屋、米屋、豆腐屋、
菓子屋、洋服店、畳屋、
建具屋、自転車店等で
作業場が50㎡以下
×
危険性や環境を
悪化させるおそれが
非常に少ない工場
× × × ×
危険性や環境を
悪化させるおそれが
少ない工場
× × × × × × ×
危険性や環境を
悪化させるおそれが
やや多い工場
× × × × × × × × × ×
危険性が大きいか又は
著しく環境を
悪化させるおそれが
ある工場
× × × × × × × × × ×
火薬、石油類、ガスなどの
危険物の貯蔵・処理の量
量が非常に少ない施設 × × ×
量が少ない施設 × × × × × × ×
量がやや多い施設 × × × × × × × × ×
量が多い施設 × × × × × × × × × ×
  1. ①日用品販売店舗、喫茶店、理髪店、建具屋等のサービス業用店舗のみ。
    2階以下
  2. ②①に加えて、物品販売店舗、飲食店、損保代理店・銀行の支店・宅地建物取引業者等のサービス業用店舗のみ。
    2階以下
  3. ③2階以下
  4. ④物品販売店舗及び飲食店を除く。

事務所や工場・倉庫などの「△」は階数や規模に制限があります。

※国土交通省 用途地域概要
http://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/kanko/area_ree/youto_seigen.pdf

このように工場や倉庫は住居系地域では制限が多く、自由に倉庫や工場を建てることも営業することもできません。
更に、商業系の地域ですら工場や倉庫は自由に建てることも営業することも出来ないのです。
また、記載の通り、住居系でも日用品の物販やカフェ、それに車屋や火器や重機器など、工場や倉庫、店舗などの目的規模によっては、特定の用途地域では営業できません。
しかし、中には営業できない地域にも関わらず営業している倉庫や工場があるのも事実です。

それぞれの用途地域の特徴

そもそもなぜ、住居系は勿論、商業系ですら倉庫や工場の建築や営業を禁止したり、制限を設けたりするのでしょうか。
それはそれぞれの用途地域には、都市計画において以下のような目的があるからです。

第一種低層住居専用地域
その名の通り、低層住宅を中心とした地域なので、良好な住環境を守るための地域になっています。
工場や倉庫は勿論、住宅でさえ制限が厳しい地域になります。
第二種低層住居専用地域
第一種低層住居専用地域に準ずる地域です。第一種低層住居専用地域よりは規制が緩くなっています。
第一種中高層住居専用地域
低層ではなく中高層住宅の良好な住環境を守るための地域です。
低層住居専用地域とは異なり、ある程度の規模までの店舗や中規模な公共施設、病院・大学なども建てられ、営業する事ができます。
第二種中高層住居専用地域
第一種中高層住居専用地域に準ずる地域です。
第一種中高層住居専用地域より規制が緩くなります。
第一種住居地域
第一種住居地域は「住居」の環境を保護するための地域です。
中高層住居地域よりも規制が緩く、中規模~大規模な建物も建築&営業可能です。
しかし、あくまで住居の環境を保護するための地域なので、店舗や工場、倉庫などの規制は厳しいです。
第二種住居地域
第一種住居地域に準ずる地域です。
第一種住居地域よりは規制が緩くなります。
準住居地域
準住居地域は、住居とその他施設が調和した環境を保護する事を目的にしています。
つまり、住居だけが保護の対象ではないという事で、ある程度の規模の施設は建てる事は可能です。
しかし、それでも工場や倉庫などの規制は厳しいです。
近隣商業地域
近隣商業地域は、近隣の住民が日用品の買物や業務の利便を図るための施設を促進する地域です。
そのため、ほとんどの商業施設やオフィス、ホテル、歓楽施設などは建築&営業可能です。
しかし、あくまで目的が「日常生活や業務の利便向上」なので、一部の工場などには制限があります。
商業地域
近接商業地域に準ずる地域です。
近接商業地域よりも規制が緩くなっていますが、目的が近接商業地域と根本的には同じなので、一部の工場などには制限があります。
準工業地域
準工業地域は主に軽工業の工場等、環境悪化の恐れのない工場の利便を図る地域です。
多少制限はありますが、ほぼ全ての建築物が建築&営業可能です。
工業地域
工業地域は主に工業の業務の利便の増進を図る地域です。
全ての建物が建築可能になっています。
工業専用地域
工業専用地域は工業の業務の利便の増進を図る地域です。
工業をメインに考えますので、住居や事務所の建築&営業などには制限があります。

工場や倉庫を営業するのに適した用途地域

倉庫イメージ

工場や倉庫を営業するのに適した用途地域は、「準工業地域」、「工業地域」、「工業専用地域」の3つになります。
前項でお話した通り、それぞれの地域には都市計画法上「こんな街にしたい」という方針があるため、特定の建物を保護していたり、逆に建築や営業を推進していたりします。

例えば、倉庫をカフェにしたり、食品加工場、冷蔵倉庫として営業したり、などは住居系地域でも可能なエリアはあります。
しかし、階数や㎡数の「規模」が制限されます。
そのため、そもそもその制限を前提で考えるのは手間がかかりますし、増改築したい場合も自由にできません。

また、車の整備工場、板金屋、運送業、溶接などをする工場の場合は住居系地域での営業は難しいです。
商業系でも、先ほどと同じく制限されてしまいます。
なので準工業地域、工業地域、工業専用地域をお勧めするのです。

そして、例え営業可能なエリアであっても、制限が掛かっている地域で工場や倉庫を建築や営業をしてしまうとトラブルの元になります。

例えば住居系の地域に倉庫や小規模な工場を稼働していたら、少しの騒音でもクレームが入る可能性があります。
例え、その計画が用途地域や土地計画法に定められていたとしても、付近住民からのクレームを行政は見逃しません。

工場イメージ

最悪の場合は業務停止や、業務内容の改善、業務工程の改善などを指導される場合もあります。
工場や倉庫に吸音材を敷き詰めたり、増改築が必要だったりする場合には余計なコストが掛かってしまいます。

そのようなリスクをなくすためには、上述した「準工業地域」、「工業地域」、「工業専用地域」の3つの地域をお勧めします。

用途地域の定めのない場所について

前項まででお話した、「12の用途地域」が定まっていない場所もあります。
その地域を「無指定地域」と呼びます。
少々複雑ではありますが、都市計画区域と呼ばれる区域は以下のように分かれております。

都市計画区域 線引き区域 ①市街化区域(用途地域定まっている)
②市街化調整区域(用途地域定まっていない)
非線引き区域 ③用途地域が定まっている
④用途地域が定まっていない

今までお話した地域は上図の①および③になります。
また②④のように用途地域が定まっていない区域を無指定地域と呼びます。

  • 1線引き区域(市街化区域)

    市街化区域とは、「既に市街地を形成している地域」または「概ね10年以内に優先的かつ計画的に市街化を図るべき区域」です。
    用途地域は決まっています。
    例えば、「道路」「公園」「下水道」が定められ、その整備が重点的に実施されます。

  • 2線引き区域(市街化調整区域)

    市街化調整区域とは、「市街化を抑制する区域」であり、基本的には用途地域の定めはありません。

  • 34非線引き区域(用途地域が定まっている、定まっていない)

    一方、線引き区域ではなく、非線引き区域と呼ばれる場所があります。
    非線引き区域とは、市街化があまり進んでいないエリアで、かつ急激な市街化の可能性も低く土地に関する規制や開発許可の規制が緩いエリアです。
    非線引き区域は用途地域が定まっていないエリアと定まっているエリアに分かれます。

無指定地域で倉庫や工場を建築・営業する時の注意点

前項のように、用途地域の定めがない無指定地域には倉庫や工場を建築・営業する際の注意点があります。
まずは用途地域の定めのある市街化区域から見ていきましょう。

市街化区域
市街化区域では、原則として1,000㎡未満(エリアによって多少異なる)の開発行為は許可が不要です。
市街化調整区域(無指定地域)
一方、市街化調整区域(無指定地域)は原則として建物を建てる事ができません。
役所からの「開発許可」がなければ倉庫や工場を建築する事ができません。
また、当然許可なく建てられた工場や倉庫では営業できないので、市街化調整区域で工場や倉庫を運営する場合には、キチンと開発許可申請を行っているかの確認をしましょう。

※市街化調整区域でも、検査済証が有る物件は営業が可能です。
検査済証が有っても、用途変更をしないと営業できない可能性も御座いますので、詳しくは役所などにお問い合わせください。

非線引き区域(用途地域の定めのない地域)
また、もう一つの無指定地域である「非線引き区域(用途地域の定めのない地域)」は、原則3,000㎡未満の開発行為には許可が不要です。
つまり、用途市域の定めのある市街化区域などより規制が緩くなります。
そのため、このエリアでの倉庫・工場の建築及び営業するときは、さほど気にする必要はありません。
ただし、上述したように、街としては未成熟なエリアですので、工場や倉庫を営業する例は多くないです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
用途地域は一般的でないため、あまり知らなかった方も多いのではないでしょうか?
国としても理想の都市をつくるために都市計画法を定めていますが、全ての地域で理想通りの街づくりが出来ているワケではありません。
物件が良くても、この地域で営業が出来るか迷った場合は、当社にお問い合わせください!

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