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忘れがち倉庫・工場の消防設備

火の用心 自分のところは安全と思っている人要注意!

倉庫・工場、事業用物件の安全性についてどのようにお考えでしょうか。
安全だと思っている建物でも、実際には様々な災害が起こる可能性があります。
地震によって倒壊することも考えられます、火の元が原因で火災に繋がるということも考えられます。
こういった災害はいつ起こるかわかりませんが、起こった時にはもはやどうすることも出来ません。
災害に対する対策が不十分であったが為に、避難が遅れたり消火が遅れたりということが実際に起こっています。
そうならない為にも、災害が起こる前に対策を取っておくことが重要です。
そして、まず大切なことは「人命を守る」ということです。
今回は、建物の安全性に関わる「消防設備」について紹介します。

特に、倉庫や工場での火災は一般的な建物と比べてその特徴が異なる為、より危険性が高くなります。
主な特徴として第一に、建物内に可燃物を大量に収容している場合が多いということ。
第二に、一般的な建物よりも出入り口や開口部が少ないということ。
第三に、建物の規模に比べ人員が少ない場合があるということ。
これらの特徴から「火災の発見が遅れる」「火災による停電で室内が暗闇になる」「煙が充満する」「熱がこもりフラッシュオーバーやバックドラフトが起こりやすい」などの危険性があります。
これらの危険性に対処する為に必要なものが「消防設備」です。
では、考えられる危険性に対処する為にどういった消防設備があるのでしょうか。
まずは消防設備の各種類と機能をご紹介致します。

消防設備の種類と機能

消防設備には大きく分けて3つの種類があります。一つ目は、火災を見つけ知らせる為の「警報設備」です。
火災時に火災を熱や煙によって検知し、建物の中にいる人々に警報する「自動火災報知設備」、押しボタン式で非常時に警報を鳴らす「非常警報設備」などがあります。
火災を瞬時に知らせる為に、必要な設備です。
倉庫や工場では、延べ床面積が500㎡を越える場合には設置義務が発生します(設置義務や届け出については後に詳しく説明します)。
二つ目は、火災から逃げる為の「避難設備」です。建物の構造上の理由で避難経路が絶たれる箇所がある場合、その場所からの避難を助ける為の設備です。
上下階で移動が困難な場合は「避難はしご」、地上階まで瞬時に移動する為に筒状の袋の内部を滑り降りる「救助袋」、火災で停電した時に避難方向を指示する「誘導灯」や避難通路を照らす「非常用照明器具」などがあります。
火災時に内部が暗闇となる場合が多い倉庫や工場では、「誘導灯」と「非常用照明器具」の設置が避難には不可欠となります。
昼間の停電で暗闇となる可能性があるかどうかは、一度確認されるといいでしょう。
三つ目は、火を抑制し消す為の「消火設備」です。
火災の発生時に初期消火に用いる為の「屋内消火栓設備」や「屋外消火栓設備」、火災時に散水することで初期消火を行う「スプリンクラー設備」などが主にあります。
倉庫や工場では規模が大きく軒高が高い為、放水能力の高い「屋外消火栓設備」が有効とされています。
これは消火とともに延焼を阻止する目的があります。隣接する倉庫や工場がある場合には検討する必要が有ります。
さて、ここまでで消防設備の概要がお分かりいただけたのではないでしょうか。
繰り返しになりますが、火災に必要な主な設備は「警報設備」「避難設備」「消火設備」の3つです。
このことをおさえて火災時にどのような設備が必要か検討しなければなりません。
検討にあたって「警報設備」と「避難設備」は検討が付くが、火災の状況によって設備が異なる「消火設備」はその種類や機能についてよくご存知だという方は少ないと思います。
次に「消火設備」の種類と機能を説明致します。

消火設備の種類と機能

消火設備にはいくつかの種類と機能があります。
以下で、それぞれのポイントを紹介しましょう。

1屋内消火栓設備

屋内消火栓設備は初期消火を目的とした設備で箱型の設備の中にホースが入っており、人の手で消火作業を行う設備です。
非常警報設備が一体となっていることが多いです。
屋内消火栓設備には種類があり、主に「1号消火栓」と「2号消火栓」があります。
「1号消火栓」は、ホースを全て引き出して使用する設備で、2人以上で訓練が必要とされています。
「2号消火栓」は、「1号消火栓」よりも放水量を少なくし、1人でも操作できる設備となっています。
倉庫や工場においては、放水性能が劣る「2号消火栓」は設置できないこととなっています。ご注意ください。
設置義務は規模によって決まります。

2屋外消火栓設備

屋外消火栓設備は主に1、2階で発生した火災の消火に使用し、火災の延焼を防ぐことを目的としています。
この設備には「地上式消火栓」と「地下式消火栓」があり、「地上式消火栓」は屋内消火栓設備と同じく格納箱に収納されているものがあります。
倉庫や工場では、一度火災が起こると大規模火災となることが想定されます。
その為に、隣接する建物等への延焼を防ぐ目的として屋外消火栓設備を設置することを検討する必要があるでしょう。

3スプリンクラー設備

スプリンクラー設備は火災を検知し、消火を自動で行う設備です。
この設備は使用するヘッドの種類や配管内の充水等によって分別されています。
ヘッドの細かな説明は致しませんが、主に使用されるタイプは「閉鎖型スプリンクラーヘッド」を用いたスプリンクラー設備でしょう。
平常時は閉鎖された出入り口が温度によって開放し、配管内の水を放水する仕組みのものです。
また、スプリンクラー設備についても設置義務があります。
倉庫や工場などの規模では設置しなくてはならないでしょう。

4泡消火設備

泡消火設備は燃焼部を泡で覆うことによる窒息作用と、泡に含まれる水分で火災を消火する設備です。
この設備は可燃性液体類などの消火に有効であり、該当する倉庫や工場にはこの設備の設置を検討しなければならないでしょう。

5水噴霧消火設備

水噴霧消火設備は水を噴霧状に放出して消火する設備です。
スプリンクラー設備と異なる点は、消火だけではなく、火災の抑制や延焼防止などが行えるということです。
また、可燃性液体類などの消火にも適しています。

6ガス系消火設備

ガス系消火設備は不活性ガスやハロゲン化物消火剤を用いて消火する設備です。
水などでは二次災害が起こる電気設備室や、駐車場、ボイラー室および指定可燃物の貯蔵部分など特殊な場所に使用されます。
窒息系の消火設備ですので、設置には注意が必要です。

7粉末消火設備

粉末消火設備は粉末消火剤を放射し、抑制作用で消火する設備です。
火災によって粉末消火剤の種類を使い分けます。

以上が消火設備についての説明です。
倉庫や工場では屋内消火栓設備と屋外消火栓設備、スプリンクラー設備と該当設備が必要であるという風に覚えておくとよいでしょう。
では次に、設置義務について説明します。

消防設備の設置義務と届け出

ここまで消防設備について説明してきましたが、これらの設備は建物所有者(管理者・占有者)の任意での設置ではなく、法律によって設置の義務が課せられています。
主に規模による設置義務がある他に、数年毎に設備の点検を行い消防長又は消防署長に届け出・報告を行う義務があります。
消防設備は災害時に人命と関わってきます。その為の義務であるという自覚は大事でしょう。
最後に、その概要を見てみましょう。

1設置義務

各消防設備の設置義務は、主に建物の構造と延べ床面積によって決まります。
倉庫や工場での屋内消火栓設備の設置義務は、構造と規模によって異なり、木造の場合は700㎡、耐火構造では1400㎡・耐火構造(内装制限)では2100㎡をそれぞれ越える場合は設置対象となります。
既に記載しましたが、倉庫や工場では「2号消火栓」は設置できないということとなっています。
ですので、設置義務が課せられる場合には「1号消火栓」が必要となります。
自動火災報知設備については主に規模で設置義務が課せられ、先述しましたように、倉庫や工場では500㎡を越える場合には設置が必要となります。
倉庫では他に、スプリンクラー設備の設置義務が課せられる場合があります。
これは天井高10mを超える場合で、構造と規模が屋内消火栓設備と同じであれば該当する可能性があります。
その際は調べられるとよいでしょう。

2届け出・報告

消防設備関係は定期的に点検を行い届け出・報告する義務があります。
倉庫や工場では非特定防火対象物という扱いになる場合が多く、3年に1回、点検を行った結果を消防長または消防署長へ提出する必要があります。
他に、機器点検が6ヶ月に1回、総合点検が1年に1回必要ですが、報告する必要はありません。
ちなみに、点検報告を怠ると点検報告義務違反で30万円以下の罰金又は拘留が課せられます(消防法44 条7 号の3、45 条3 号)。
ご注意ください。

まとめ

消防設備について少しでも知っていただけたでしょうか。
消防設備は建物の安全性、特に火災時に人命を助ける役割の設備です。
倉庫や工場が一般的な建物とは特徴が異なるということを再度認識していただいた上で、今一度、倉庫や工場・事業用物件の消防設備を見直していただけると幸いです。
消防設備は貸主責任です。
火災で手遅れとなる前に、設備の充実とメンテナンスを心がけるようにしましょう。
当社では、無料で消防設備などの確認もしております。
少しでも不安がある場合は一度当社にお問い合わせください。

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