2021.02.10 対策 設備・建築

貸し倉庫・貸し工場の基本的な防犯対策

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「倉庫や工場に盗まれるようなものはないから防犯対策を徹底していなくても大丈夫」という考えをお持ちの方も見受けられます。しかし、窃盗犯は現金だけでなく、パソコンやそこに含まれる情報、金属配線などの多種多様なものを狙うので油断は禁物です。また不法侵入されることで、窃盗だけでなく放火や機器や機材などの破損などの被害を受けてしまう可能性もあります。

そのため、工場や倉庫においても防犯対策を徹底することが重要です。ここでは、倉庫や工場における防犯不足が招くリスクと、有効な防犯対策について解説します。

倉庫・工場の防犯不足が招くリスク要因

倉庫や工場において防犯がしっかり行われていないと、以下のようなリスクを招くこととなるので注意が必要です。

屋内での原材料の盗難
工場では製品を作るための原材料を1カ所に集めて保管していることも多いでしょう。窃盗犯の中には原材料を盗むことを目的として不法侵入を企てる者も多く、原材料の保管に関する防犯は徹底する必要があります。

敷地内での廃棄物の盗難
倉庫・工場から排出される廃棄物の中には窃盗犯のターゲットになりやすいものもあり、人がいなくなった深夜に盗まれてしまう例も少なくありません。廃棄物は排出した業者が責任をもって処分しなければならず、この点についても防犯対策の徹底が求められます。

パソコンなどに保存した情報の漏洩
顧客情報や社員の個人情報も盗まれやすいものとして挙げられます。個人情報はパソコン内に保存されていることも多いため、パソコン自体の盗難を防ぐための防犯対策も徹底しなければなりません。また、金庫室などで個人情報を保管している場合には、保管している部屋専用のセキュリティ対策強化も検討する必要があります。

機材・機器の破損
特に工場では、商品を製造するための機材・機器を毎日のように稼働させていることでしょう。窃盗犯は盗もうと思っていたものが見つからない場合などに、腹いせで機材や機器を破壊していくこともあります。防犯対策が徹底されていないと日々の基本的な業務にも支障が出てしまうリスクがあるので注意が必要です。

製品の破損・異物の混入
機材・機器の破損と同様に、腹いせで保管していた製品を破壊したり、異物を混入させたりする窃盗犯も少なくありません。そのため、防犯対策を徹底することは自社製品の品質を保つという意味においても非常に重要なのです。

放火
腹いせで行われる犯罪の中でも特に悪質なのは放火です。放火されてしまった場合の損失は計り知れないほど大きくなるケースが多いので、この点でも防犯対策を徹底することは非常に大切です。

漏水
目当てのものが盗めなかった腹いせとして、不法侵入者が水道を出しっ放しにするなどして漏水させる、という悪質ないたずらをするケースもあります。漏水は電気設備の故障や生産ラインの停止などを招く可能性があるため、この点でも防犯対策は徹底する必要があるのです。

車両の盗難
倉庫や工場では、運送用のトラックをはじめとした車両をまとめて駐車していることがあります。車両は転売などの目的で窃盗犯のターゲットになりやすいため、駐車スペースの防犯対策を徹底することも重要です。

倉庫・工場の不審者の侵入を防ぐ防犯対策

防犯対策について検討するなら、犯罪の特性や犯人の心理などをよく考え、それに見合った有効な対策がどのようなものなのかを考慮することが大切です。ここでは、不審者の侵入を防ぐのに有効な防犯対策の例を見ていきましょう。

塀やフェンスにセンサーを設置
塀やフェンスを建てると敷地を区切ることができますが、それだけでは防犯対策としては不十分です。塀やフェンスを乗り越えて侵入しようとする窃盗犯を感知するためには、センサーを設置するのが良いでしょう。特に赤外線センサーや感圧センサーは感度が高く、防犯効果も高いのでおすすめです。

監視カメラを設置
倉庫や工場は敷地全体の面積が広く、死角ができやすいという欠点があります。監視カメラは死角をなくす上で効果があるため、設置場所に気をつけつつ導入を検討すると良いでしょう。また、監視カメラには常時録画が可能なものやモニターで常に人がリアルタイムの映像を確認できるものなどがあるので、状況に合ったタイプの監視カメラを導入することも重要です。

入退室管理システムを導入
多くの人が出入りする倉庫や工場では、入退室管理を徹底することも防犯対策として有効な方法です。主要な出入口にセンサー付きの入退室管理システムなどを導入すれば、社内の作業員や外部から荷物を搬入する人などに紛れて窃盗犯が侵入するのも防げる可能性が高くなるでしょう。

なお、倉庫や工場にあるパソコンや机、商品保管用の棚などの備品や設備が盗まれてしまった場合、火災保険によって補償が受けられます。ただし、例えば販売用の家具や化粧品など、倉庫内の商品が盗難に遭った場合も火災保険で補うことが可能ですが、そのためには事前に火災保険のオプションに入るなど、別途追加料金を支払う必要があるので知っておきましょう。

倉庫・工場の火災を防ぐ防犯対策

不法侵入者による犯罪やいたずらに関連するリスクの中でも、特に火災は大きな損失を招く可能性が高いです。ここでは、放火などによる人為的な火災を未然に防ぐ上で有効な防犯対策の例を見ていきましょう。

炎センサーの設置
火災による損失を最小限に抑えるためには、火災の早期発見・消火が不可欠です。炎センサーを設置しておけば火が広がる前に消火を行えるため、消火設備や警報機と連動できるものなどを導入すると良いでしょう。

監視カメラの設置
監視カメラは放火の阻止を目的として設置するのも有効です。例えば、放火されやすい段ボールや木材などの廃棄物を置いておく場所などに監視カメラを設置しておけば、それだけで高い防犯効果を得られます。

警備の強化
放火を予防するためには、人の目による監視を絶やさないことも有効です。特に人がいなくなる深夜帯には、警備を強化することによって放火だけでなく窃盗やその他のいたずらを防げる可能性が高いでしょう。

喫煙対策
倉庫や工場では、喫煙場所から火災が発生するケースも少なくありません。火災を防ぐためには喫煙場所に炎センサーなどを設置し、放火だけでなく失火を防ぐことも念頭に置いて対策を考えることも大切です。

倉庫・工場の情報漏洩を防ぐ防犯対策

倉庫・工場では取引を行っている顧客の情報や社員の個人情報、新商品の情報など、部外者に知られてはいけない情報を保管していることも多いでしょう。不法侵入者の中にはこれらの情報を盗むことを目的としている者も少なくないため、情報漏洩を未然に防ぐための対策も講じておかなければなりません。ここでは、機密情報を漏洩から守るための防犯対策について見ていきましょう。

機密情報の保管場所への電気錠の導入
機密情報を金庫室などで保管する場合、出入口のセキュリティ向上を図ることが重要です。例えば、鍵をカードリーダー付きの電気錠に交換すれば出入りすること自体が容易ではなくなるため、より重要度の高い情報を管理する場合の利用にも最適と言えるでしょう。また、入退室を自動記録できるタイプの電気錠を導入すると内部の人間による情報の漏洩も防ぐことが可能となるため、こちらも有効な防犯対策です。

パソコンは盗難にあってしまった場合も想定して防犯対策を講じる
パソコンで機密情報を管理する場合には、パソコン自体が盗難にあってしまった場合を想定した防犯対策を講じることも大切です。例えば、機密情報を保存しているファイルに2段階のパスワードを設定しておけば、仮にパソコンを盗まれてしまっても機密情報の流出は避けられる可能性があります。

さいごに

倉庫・工場には窃盗犯から狙われやすい条件がそろっているという特徴があります。そのため、常に高い防犯意識を持つことは非常に大切だと言えるでしょう。倉庫や工場の防犯性能を向上させるためには、倉庫・工場自体を借り換えることもひとつの方法です。

当社では倉庫・工場・事業用物件の専門集団として、高い防犯意識を持ったお客さまのご要望にもお応えします。「自社工場の防犯設備に不安があり、移転を検討している」「専門的な知識にもとづいたアドバイスのもと、事業に合った最適な倉庫用物件を探したい」、そんな要望をお持ちのお客さまはぜひ当社へご相談ください。専門家だからこそできる、適切なアドバイスをさせていただきます。

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