2021.02.11 対策 不動産関係

貸し倉庫の移転と解約の基礎知識。複雑なプロジェクトには万全の準備が必要!

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事業規模の縮小・拡大や新規事業の開始などによって、現在使用している倉庫から新たな倉庫へ移転をする必要が生じることは珍しくありません。倉庫の移転やそれに伴う解約では、手続きや全体の流れを知っておかないと業務そのものに影響が及んでしまう恐れがあります。入念に準備をして、計画的に手続きを行いましょう。ここでは主に貸し倉庫の移転・解約においての必要な手続きや費用、計画を立てる際の注意点などについて解説します。

貸し倉庫の移転・解約に必要な手続き

倉庫移転では十分な期間を確保し、余裕のある計画を立てるのがおすすめです。現在の貸し倉庫を手放すまでの基本的な流れは以下のようになります。

1.移転計画を立てる
おおよそ6~9か月後を移転時期の目安として、移転計画を立てることから始めましょう。

2.移転先を決める
移転先の倉庫に求める条件(立地・面積・賃料など)を決めて、それに合う物件を探します。

3.移転先倉庫の内外装工事を行う
移転先が決まったら内外装工事を開始して、移転後すぐに業務を開始できるようにします。

4.現在の倉庫の内部を整理する
現在使用している倉庫の内部を整理して、移転作業をスムーズに行えるようにしましょう。

5.倉庫内設備などを新倉庫へ移動する
移転準備が整ったら、倉庫内部の設備を新倉庫へ移動して、本格的な移転作業を開始します。

また、貸し倉庫の移転では管理会社に対して移転する旨を、解約予告期間中に伝えなければなりません。一般的な賃貸住宅では、解約予告期間を移転日の1か月前までとしていることが多いですが、貸し倉庫の場合は、移転日の3~6か月前までとしていることが多くなっています。

詳細な解約予告期間は管理会社によって異なるため、契約書に記載されている内容を確認するようにしましょう。移転計画を立てる時期は、解約予告期間に合わせて決めることも大切です。

貸し倉庫の移転・解約にかかる費用

貸し倉庫の移転では当然、多額の費用が必要です。移転計画を立てる際には予算を決めると同時に、倉庫移転において発生する費用をリストアップしましょう。必要に応じて、各々の費用を節約する方法も考えなければなりません。貸し倉庫の移転・解約時に発生する費用としては以下のものが挙げられます。

・移転先の物件賃料
貸し倉庫の移転時には、移転先の物件の賃料が発生します。また、契約時には保証金や礼金、仲介手数料などの費用が発生する場合もあるため、契約前に確認をしておきましょう。

・移転先倉庫の内外装工事費
移転先倉庫の内外装工事でも費用が発生します。そのため、移転先倉庫探しにあたっては、どれくらいの規模の内外装工事をする必要があるかもよく考えることが大切です。

・引っ越し費用
引っ越し費用も倉庫移転で発生する費用の主なものとして挙げられます。現在使用している大型の設備を移転先でも使用する場合などには、引っ越し費用もより高額になってくることも少なくありません。場合によってはコスト削減のために、設備の買い替えを選択肢に入れるのもよいでしょう。

・現在使用している貸し倉庫の原状回復工事費
現在使用している倉庫に破損している箇所などがある場合、原状回復をした上で解約をしなければなりません。このことから、貸し倉庫の移転時には原状回復工事費がどれくらいかかるのかについても、早い時期から把握しておくことが大切です。

貸し倉庫の移転・解約の目的や計画は明確に

貸し倉庫の移転では、しっかりと計画を立てないと、以下のようなトラブルが発生する恐れがあります。

・保管場所・作業スペースの不足
新規倉庫へ移転した際に、保管場所が十分に確保できておらず、どこに何があるのかが分からなくなってしまうことがあります。だからといって保管場所を多めに確保しようとすると、今度は作業スペースが足りなくなってしまうことがあるのです。全体のレイアウトは移転前から入念に検討しておきましょう。

・システムトラブルが発生することによる業務の停止
移転に伴って、物流などのシステムにトラブルが発生することも珍しくありません。システムトラブルが発生してしまうと業務自体が停止してしまうこともあるため、試運転期間を設けるといった工夫をすることも重要です。

・作業効率の低下
倉庫を移転すると、新しい倉庫での作業員の動線が確保されていないことや、作業員が足りないことなどで作業効率が低下することもあります。

これらのトラブルを避けるという点においても、移転計画をしっかりと立てることは重要です。移転計画を立てる際には移転の目的を明確にし、それに応じて計画を練っていくのがよいでしょう。また、移転計画は解約予告期間に間に合わせることなどを考慮した上で、移転日より6~10か月前から立て始めるのがおすすめです。

移転の場合は次の貸し倉庫を探そう

新しい貸し倉庫選びは、その後の事業の効率化などにも大きな影響を与えるため、慎重に行わなければなりません。新たな倉庫の物件選定では、以下の点を必ず確認しましょう。

・交通の利便性や周辺環境
倉庫の物件選定をするにあたって重要なのは、その倉庫の立地です。高速道路や空港、港など、各交通機関までのアクセスがしやすい場所にある倉庫を選ぶようにしましょう。また、周辺の混雑状況や飲食店・コンビニの有無など、従業員の働きやすさに寄り添うことも大切です。

・倉庫のタイプ
倉庫には複数の業者が入っているマルチテナントタイプと、1社のみで使用するタイプがあります。移転先倉庫を探す際には、どちらのタイプが自社の事業に合っているのかをよく考えて選ぶようにしましょう。

・現在の入居者の有無
現在の入居者の有無を確認しておくことも重要です。現在入居者がいる物件の場合、原状回復などに時間がかかり、移転スケジュールを変更しなければならなくなってしまうこともあります。スケジュール通りに移転を進めるためには、入居者のいない物件を選ぶとよいでしょう。どうしても見つからない場合には、現在の入居者の退去スケジュールを可能な範囲内で確認しておくのも有効です。

・工事に必要な期間を逆算する
新規倉庫では内外装などの工事を素早く行い、移転後にできるだけ早く業務を開始できるようにしなければなりません。このことから、倉庫選びでは工事に必要な期間がどのくらいあるのかを確認し、そこから逆算して契約日などを決めることも大切です。

現在の貸し倉庫の整理と引っ越し準備

移転先が決定したら、移転日の3か月程度前から引っ越しの準備に取りかかる必要があります。新規倉庫への引っ越しと現在の倉庫の整理では以下の点に注意しましょう。

・引越し業者の選定
倉庫の引っ越しでは、引っ越し業者の選定から始める必要があります。複数の業者に見積もりを依頼して、自社に最も合った業者を選びましょう。

・各種届出の確認
引っ越し時には税務署や法務局、社会保険事業所などへの届け出も必要となります。それぞれの届け出期限を引っ越し前に確認しておくことも大切です。

・廃棄・買い替えも視野に入れて整理をする
引っ越し前には、現在使用している倉庫の内部を整理しておくことも重要です。設備の廃棄や買い替えも視野に入れて、必要なものだけを新規倉庫へ持っていくようにしましょう。

・工事の手配は早めに済ませておく
新規倉庫では内外装工事だけでなく、電話やインターネットなどの工事も行う必要があります。これらの手配に関しても、引っ越し前に手配を済ませておくのがよいでしょう。

・現倉庫と新規倉庫の契約期間は1~2か月程度かぶせる
引越しにかかる手間や時間を考えると、現倉庫と新規倉庫の契約期間をかぶらせないようにすることは非常に難しいです。そのため、両倉庫の契約期間は1~2か月程度かぶらせ、余裕をもって引っ越しをするのがよいでしょう。

さいごに

長年にわたって事業を行っていると、業務規模の変化や従業員の増減を回避するのは極めて困難であると言えます。よって、これらの事象による倉庫の移転・解約もまた、避けて通ることは非常に難しいことです。

当社では移転がしやすく、短期間で手放しやすい貸し倉庫・工場をご紹介しています。現在使用している倉庫からの移転をご検討中の方や、条件に合った貸し倉庫が見つからないという方は、ぜひ一度当社へご相談ください。

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