2021.01.30 設備・建築 不動産関係

古い倉庫をコンパクトオフィス・店舗・住宅に再生

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最近話題となっている事でご存知だと思いますが、古い物件などを再生させる「リノベーション」についてご紹介致します。ここ数年、古びた建物や使用されなくなった建物をきれいに改装し、再び使用するということが流行ともなっています。雑誌や書籍、ブログなどでは、改装された建物が持つ魅力を内部での生活や商店の魅力として取り上げて、建物改装がある種の「おしゃれ」と捉えられるまで進展しています。特に、建物の改装を自分自身の手で行うDIY(Do It Yourself)は、自由に改装できオリジナル性が発揮できることもあって注目が集まっています。

さて、そんな中でも倉庫にリノベーションの注目が集まっているということをご存知でしたでしょうか。
倉庫の空間的・構造的特徴と言えば、①床面積が広い、②天井高が高い、③鉄骨造の建物が多く、構造躯体と内装・設備を別々に工事出来る(スケルトン・インフィル)、といったものが挙げられます。
この特徴は、室内をある程度自由に改装出来るというメリットがあります。
その為、倉庫から倉庫付きのコンパクトオフィス、店舗、住宅まで幅広くリノベーションすることができ、制限をあまり受けずにリノベーションできるという点で、倉庫の活用に注目が集まっています。
また、本来は倉庫として利用していた為、立地や条件によって借り主にとっては経済的にメリットである場合が多く、そういった面でも需要が高まっているのが倉庫のリノベーションです。
一方で、倉庫のリノベーションはメリットだけでなくデメリットもあります。
倉庫のリノベーションについて十分に知っておく為にも、メリットとデメリットそれぞれの側面をご紹介致します。
本文ではまず、リノベーションとはどのようなものなのか、リノベーションの特徴についてご説明致します。
次に、倉庫をリノベーションする場合の代表的な3つの用途「コンパクトオフィス・店舗・住宅」の特徴・メリット・デメリットについてご紹介致します。

リノベーションとリフォームの違い

リノベーションという言葉を耳にすることは多いと思いますが、では、リノベーションの特徴とは何かといったことやリフォームとは何が違うのかといった具体的なことまでは知らない方も多いかと思います。
まず、リノベーションとは「既存建物を大規模に改装し、用途変更や機能の高度化を図り、建築物に新しい価値を加えること」で、改装と用途変更を同時に行うことがリノベーションです。
リフォームとは訳せば「 作り直すこと」で、基本的には用途変更はしません。
つまり、リフォームは既存建物の傷んだ箇所の補修や改修、または、同じ用途での増改築などを指しています。
ここでは倉庫のリフォームでは無く、改装と用途変更を同時に行うリノベーションについてのご紹介となります。
では次に、リノベーションの特徴について見ていきましょう。

リノベーションの特徴

 

リノベーションは、既存の建物を改装し用途を変更して新たな建物として利用することを目的としています。
その為、第一の特徴と言えば、新築を建てるよりもコストが抑えられるということでしょう。
既存の建物の構造をそのまま利用する為、その分の費用はカットされます。
次の特徴としては、室内空間を自由に設計出来るということです。
用途の変更に際して構造的な制限はあるものの、必要に応じて間取りなどは全て変更することが出来ます。
低コストで既存建物の新たな価値を生み出すということが、リノベーションの主要な特徴となります。
さて、ここまでメリット側の特徴でしたが、相反するようにデメリットがあります。
その一つが既存の建物を利用する為、構造躯体の年数がある程度経っているということです。
法的に既存不適格(建築時には適法に建てられた建築物であって、その後、法令の改正や都市計画変更等によって現行法に対して不適格な部分が生じた建築物のこと)ということであれば、現行に合わせなければならない場合もあります。
ケース・バイ・ケースですが、このような特徴もリノベーションにはあるので注意しましょう。


ざっとリノベーションの特徴について見てきましたが、ここまでは一般的なリノベーションについてのご紹介でした。
ここからは、倉庫のリノベーションにおける特徴とメリットやデメリットについてご紹介していきましょう。
先にも述べましたが、倉庫はその特徴より幅広くリノベーションすることが可能です。
このことは倉庫の大きなメリットです。
では、倉庫のリノベーションでも代表的な「コンパクトオフィス・店舗・住宅」のそれぞれについてご説明致します。

コンパクトオフィス

小さい倉庫・工場や住宅街の倉庫・工場でも、最も低コストでリノベーション出来るのは、このコンパクトオフィスではないでしょうか。
※コンパクトオフィスとは前面のスペースに駐車場を設け、一階部分を倉庫やフリースペースにして2階、3階を事務所使用にした物件です。」倉庫とオフィス空間では用途は違いますが、広い空間を必要とする点で同じ特徴を有しています。
ですので、倉庫からコンパクトオフィスへのリノベーションでは、修繕や改修程度の工事でリノベーションすることが可能ということが一つのメリットでしょう。
コンパクトオフィスの場合、比較的に敷地面積が小さく、階数のある倉庫にも適するという特徴があります。
倉庫の中でも占める割合の多い数階建ての小さめの倉庫で、空き家として利用していない場合や修繕・改修が必要な倉庫・工場は、コンパクトオフィスとしてリノベーションすることがおすすめでしょう。
デメリットと致しましては、倉庫は、比較的に階高は高いのですが、階数が少ないため十分なレンタブル比・賃貸面積の獲得が難しいかもしれません。
全体を通して言えるのですが、倉庫の規模によっては階数を増やすということが可能です。
しかしその一方で、階数を増やすコストが大幅に加わり、予算を超えてしまう恐れもあります。
その辺りは、コストとの兼ね合いかもしれませんが、そういったことも踏まえて自由度が高いということが倉庫の特徴とも言えるでしょう。

店舗

倉庫から店舗へのリノベーションは、ここ数年で増加しています。
ここでもやはり倉庫の空間的な特徴が活かされていて、自由でおしゃれな店舗へのリノベーションが数多く見られます。
店舗へのリノベーションで注意しておくことは、店舗の用途によっては設備投資が必要となるということでしょう。
飲食店の場合では、開放的で寛げる魅力ある空間が作り出せる一方で、倉庫の時には無かった空調設備・上下水道設備・電気設備等の工事が必要となる場合があります。

また、店舗へのリノベーションはカフェやレストランといった飲食店に限りません。
例えば、ダンススクールやファッション・物資の販売店、変わった事例では空間的特徴を活かしたフリークライミング施設へのリノベーションなどもあります。
時代の流れと共に、倉庫は、そのようなポテンシャルを秘めているということを知っておくとリノベーションの幅も広がるでしょう。

住宅

最後に、倉庫から住宅へのリノベーションについての特徴を見ていきましょう。
まず初めに、倉庫が住宅になるのか、と思われるかもしれませんが、実に魅力ある住宅へと変貌を遂げた事例はいくつも存在しています。
この場合の一番の特徴は、倉庫から住める環境へと設計を行わなければならないということでしょう。

間取りや開口・住環境への諸設備等の設計を行わなければなりません。
ここでメリットとなるのが、倉庫の持つ特徴です。広い空間を持つ倉庫では、間取りを考える際に比較的自由に設計を行うことが出来ます。
このことは、居住者の要望に応え易い建物と言えるでしょう。
一方で、デメリットは、鉄骨造が持つ倉庫らしさが残るという点でしょう。


ただし、これはデメリットではない場合もあります。
嗜好によっては、鉄骨造のシャープな居住空間を求める人々には打って付けの建物となるからです。
デザインなどは、設計担当者とのやり取りで決まっていきますが、倉庫ならではの特徴を活かした住宅の事例が多く見受けられます。
他とは異なる居住空間を求める方には、よいリノベーションとなるでしょう。
リノベーションの特徴と倉庫のリノベーションの3タイプについてご紹介致しました。
まず、リノベーションとは、「用途変更」と「改装」を同時に行う事を知って頂けたかと思います。
その上で、倉庫の特徴とその特性を活かしたリノベーションに注目が集まっているということも知って頂けたのではないでしょうか。
そして、倉庫のリノベーションには、主に3つの用途へのリノベーションがあります。
それが「コンパクトオフィス」「店舗」「住宅」です。
それぞれのリノベーションに対して、倉庫が十分なポテンシャルを秘めているということもお分かり頂けたのではないでしょうか。

さいごに

このように倉庫の可能性は無限大です。
「倉庫にテナントがつかない」「今では使ってない倉庫を持っている」「古くて荒れ果てた倉庫で使用を諦めていた」という方、リノベーションによって倉庫は生まれ変わり、不動産としての価値も高まります。
当社はデザインから建築まで手掛けております。
倉庫・工場の専門集団として、必ず価値の高いご提案させて頂きます。
是非一度ご相談ください。

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