2021.01.27 対策 設備・建築 不動産関係

物件の寿命を延ばす適切な修繕

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倉庫や工場をお持ちのオーナー様、建物を建てた時の状態でそのまま放置してはいませんか?
倉庫や工場などの事業用物件は、用途が特殊であるために、ささいな改善や修復が必要な時でも二の次になりがちかと思われます。
しかし、どのような建物であっても劣化は避けられず、状態を維持するために修繕は必ず生じてくる問題でもあります。
もし心当たりが御座いましたら、この記事を読まれたのを期に、今一度、建物の修繕について見直されるとよいかもしれません。
そうは言っても、なかなか修繕には費用を出せないと言うお話を聞きます。
修繕を怠ると、もしもの時には重要な事態となる可能性もあります。
まずは、修繕の必要性を認知して頂ければと思います。
以下では、修繕の目的について、そして適切な修繕の方法と中長期的な修繕計画についてと順を追って説明していきます。

修繕の目的

倉庫や工場のみならず、建物には修繕が必要です。
それは時間の経過による経年劣化や自然現象に耐えることによる物理的劣化・老朽化によって内部の機能や使用目的の変更が建物には起こるからです。
機能的変化は即時に判断できますが、劣化は徐々に進行していくために日常的にはわかりにくく、気付いた時には大幅な修繕が必要となる可能性もあります。
修繕の第一の目的は、このような劣化や変更に対して建物の状態を維持し、より長期的に建物を利用することにあります。
例えば、住居に長く住み続けたいという場合には各劣化や環境の変化に応じて修繕を行うかと思います。
倉庫や工場でも同じく、長期的な利用のためには各劣化に応じて修繕を行わなければなりません。
もちろん、修繕には様々な種類があるのですが、その点については後でご説明致します。
修繕には他にも目的があります。
それは、安全性の確保です。
2011年に東日本大震災が起こったこともあって、地震によって建物にどのような被害が生じるのかが周知の事となりました。
また他に、台風や竜巻、突風による被害、積雪被害、落雷被害など、突然の自然災害もニュースなどで取り上げられ話題を呼んでいます。
また自然災害のみならず、火災などの人為的な災害も起こり得ます。
このような災害に対しては、事前の修繕によって建物の安全性を確保しておく必要があります。
災害は予測が困難なために、日頃から対策を講じておかなくてはなりません。
その為にも、計画性のある修繕は必要事項と言えるでしょう。
以上の目的より、建物には修繕が必要であるということがお分かりいただけたかと思います。
特に、倉庫や工場などの建物は規模が大きく、不特定多数の人々が内部で活動することが考えられるため、修繕がより求められます。

適切な修繕と方法

修繕にはいくつかの種類と方法がありますが、まずはその概略を掴むために大まかに分類してみましょう。
この分類は、先述した劣化とその部位との関係によって4つに分類できます。
まずは、外部に晒される外装と内側の内装との2つ分類できます。
ご承知のように、外装と内装では部材にかかる負担や必要な性能が異なり、それぞれの修繕内容や方法に違いがあるため、これらに分けて修繕について考えます。
また、安全性から求められる修繕として、建物の骨組み・構造の修繕があります。
頻繁に生じる修繕ではありませんが、耐震性や耐久性など建物全体の維持と持続のために必要となる修繕です。
最後の分類は、建築設備という細部に関わる修繕です。
現在、建築設備は建物にとって切り離せない関係にあります。
電気設備・上下水道設備・電動シャッター・リフト・など建物に必要な設備に対しても修繕は必要です。
では、その大まかな分類と修繕方法・チェックポイントを当社が作りました。

01.外装の修繕

外装材は自然現象から内部環境を守る重要な働きがあります。
常に外部の影響を受けるため劣化速度は他の部位と比べて早く、建築設備を除いて建物の中で最も必要となる修繕のひとつです。
その中でも倉庫や工場に関わる中心的な修繕は、「屋根の修繕(屋上を含む)」「外壁の修繕(塗装を含む)」となります。
この2つの修繕について説明しましょう。
「屋根の修繕」には、葺き替え、屋根塗装の塗り直し、防水処理、部位の交換・補修などが主な修繕方法となります。
修繕が必要かどうかは、屋根の種類によってことなりますが、主に「ひび割れがないか」「植物等が繁殖していないか」「水たまりができていないか」「水漏れの痕跡がないか」をチェックポイントとして、もし該当する項目があれば先述の方法によってのそれぞれ修繕が必要となります。
「外壁の修繕」には、各部材の種類に対して外壁の張り直し、塗り直し、ひび割れ修繕、防水処理などが修繕方法としてあります。
「汚れの進行具合はどうか」「塗装の剥がれ・剥奪はないか」「ひび割れはないか」「浮きはないか」がチェックポイントです。
外壁は各部分や部材によって構法も異なるため、修繕方法・チェックポイントは多岐に渡ります。
チェックポイントを参考にして、修繕が必要かどうか適切な判断が必要です。

02.内装の修繕

内装の修繕に含まれる修繕は、「内壁の修繕」「建具の修繕」「機能・用途の修繕」となります。
倉庫や工場では、内部での作業で内装材が汚れたり、傷んだりすることが多いため、「内装材の修繕」の修繕方法が必要となります。
この方法は外壁材と大きくは変わりません。
前項の外壁材のチェックポイントを参考に修繕が必要かどうかを見極めます。

03.構造の修繕

建物の構造には、柱、床、梁、基礎、階段などがあり、これらの修繕をまとめて「構造の修繕」と呼びます。
この修繕は、建物の耐久性・耐震強度にも関わる事項です。
チェックポイントは、「柱・床・基礎などにひび割れはないか」「梁にたわみはないか」「サビの進行はないか」などがありますが、特に構造は内部での破損や強度不足に陥っている可能性もあるため、目視だけでなく、一定の期間毎に専門家による判断が必要となります。
修繕方法は、補強、交換、建て替えなどが可能性として考えられます。

04.設備の修繕

設備の修繕は、様々な機器や装置の劣化に対する修繕がほとんどです。
利用頻度の高い設備関係は建物の修繕よりも周期が短く、最も必要とする修繕のひとつです。
倉庫や工場では、「電気設備の修繕」「給排水設備の修繕」が主に必要となります。
前者では「サビの進行がないか」「設備などがしっかり取り付けられているか」など、後者では「水漏れはないか」「排水の流れは悪くないか」「水道水は濁っていないか」「水の出は悪く無いか」などがチェックポイントです。
設備の修繕では、目に見えない部分について気をつけてチェックする必要があります。
以上が、修繕の大まかな分類と方法、チェックポイントとなります。
修繕の内容について、少しはご理解いただけたのかと思います。
また、チェックポイントについては、自己チェックの範囲の内容ですので、最終的には必ず専門家による判断が必要となります。

さいごに

いかがでしょうか。
建物の修繕は必ず起こります。
即ち、建物の維持には費用がかかるということです。
ランニングコストとも言いますが、このコストを計画的に支出し、建物全体の維持・管理・安全性が最適となるようにするためにも、適切な修繕計画を是非考えて下さい。

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